LOCAL DEVELOPER DAY ’15 Winter 開催レポート

LDD, イベント情報

はじめに

2015年1月10日(土)に札幌市民ホール第1・第2会議室にて「LOCAL DEVELOPER DAY ’15 Winter」が開催されましたのでお知らせします。今回のLDDは、”パネルに始まりパネルに終わる”、”あえて技術の話をしない”、3つのセッションとLTのイベントでした。

77名の方々が参加し大変盛り上がったこのイベント。LDD’15w 開催報告担当の向平卓矢(@mktakuya)が、ざっくりと当日の雰囲気をお届けします。

オープニング

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13時20分、当代表 澤田の挨拶からLDD15wのスタートです。

セッション1 一次産業 × IT

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最初のセッションのテーマは「一次産業×IT」。

齋藤聖悟さん(株式会社澄川工作所)をファシリテーター、奈良祥治さん(寺坂農園株式会社)、北村大助さん(ファームノート株式会社)の2人をパネリストとしてセッションが始まりました。

齋藤さんは林業機械の営業や修理を行う会社、奈良さんは農家にいながらソフトウェアの開発やメンテナンスをするSE、北村さんは酪農家向けのシステムを作る企業でエンジニアと、関わっているのは一次産業でも異なるバックグラウンドを持つ3人の話し合い。

「農家はそれぞれのやり方があり、市販のソフトだとカバーできずにとっつきにくい。それぞれの農家向けにソフトを作り、サポートも一緒にしてあげる事が大事。」と話す奈良さん。

頭数が多く、またサイクルが複雑で管理が大変な酪農をITの力で管理するファームノートの話をしてくれた北村さん。農家のコミュニティはせまく、1人が「これ良いよ」と言ってくれると口コミで広まっていくらしいです。

一次産業のIT化が進まない理由のひとつとして、「インフラ整備が進んでいない。」というものがありました。特に林業に携わる方々は山の奥に行ってしまうので、「電波が届かない」事が深刻な問題と話す齋藤さん。

ITの進出具合の二極化が進んでおり、まだまだITの力で効率化する余地のある一次産業の世界。若い人が少なく、「そもそもスマホって何?」という方々がまだ現役として活躍されていることも多いそう。そうした方々が使いやすいようなシステムを、また経営者や現場の人達との理解を深める事がIT×一次産業を進めていくのに大事な事なのでしょう。 

セッション2 エンジニアの幸せな働き方ってなんだろう?

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次はファシリテーター 菅井祐太朗さん(ウェブペイ株式会社)、パネリストの古賀信哉さん(株式会社サムシングプレシャス 代表取締役)、今津麻未さん(フリーランス)、伊藤いづみさん(トラスティア株式会社)というメンバーでのセッション。それぞれ違う働き方をしている4人が、「エンジニアの幸せな働き方ってなんだろう?」をテーマに、

  • 今、どのような役職で、どのような働き方をしているのか
  • 今の働き方を選んだ理由
  • 今の働き方のメリット/デメリット
  • 今後どういう働き方をしたいか

の4つの題材について話し合いました。

菅井さんはリモートワーカーとして、古賀さんは経営者兼エンジニア、今津さんはフリーランス、伊藤さんはアルバイトとしてそれぞれ活躍されています。

菅井さんは普段はリモートで、月1、2回東京のオフィスに行くそうです。普段のコミュニケーションはHangoutでの朝会やSlackのチャットでとっているらしいです。リモートワークのつらいところは、「詰まった時」だそう。対面ならちょっと聞いて済むことも、リモートワークだと大変とのこと。そこをうまくツールを使って乗り越えていくことが課題なのでしょうか。

完全フレックスタイム制の会社、東京札幌間のリモートワークなどを経て、サムシングプレシャスの社長となった古賀さんは経営者兼エンジニアという視点から語ってくれました。「自分のことだけでなく、経営者として自分の下で働いてくれている人の事も考えなきゃいけない」とのこと。男性だらけの職場に1人だけ女性が入ってきたのを期に社内の環境も変わり、今後どういう働き方をしてもらい、女性が増えてくるとなった時にどうすれば良いのか、など考えるようになったそうです。

フリーランスという選択について語ってくれた今津さん。お金や契約に関する不安があるものの、いろんな会社を見たり、時間を自由に決められたりできるようです。ただ、フリーランスだとサービスとあまり深く関わることができないので、もっとサービスと深く関わりたいと思った時は社員もアリかなとのこと。

プログラマとして勤務した後結婚を期に退職、 現在はアルバイトとしてアジャイルな開発に携わっている伊藤さん。子供がいると仕事の内容ではなく勤務形態で選ぶしか無く、今の会社は良い条件だったので勤務を決意したとのこと。今の働き方にこだわりがあるわけでなく、その時良いと思った働き方をしていきたい。また興味深かったのは、「子どもとの適切な距離を保つために働きに出る。」という意見。主婦として、親として働くエンジニアの生の声が聞けました。

リモートワーカー、経営者兼エンジニア、フリーランス、アルバイトと、それぞれ異なる働き方をしている4人の方々のお話でした。働く人にとっても会社にとっても良い働き方をしていきたいですね。

セッション3 全日本コミュニティ&勉強会大決戦

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最後のセッションのテーマは「全日本コミュニティ & 勉強会大決戦」。日本UNIXユーザ会の法林浩之さんをファシリテーターに、九州で活動されている小室文さん(株式会社サーバーワークス)、北海道で活動中の小岩秀和さん(株式会社エストコスモ)、同じく北海道で活動中のtomio2480さんをパネリストとして、コミュニティ・勉強会運営の現在を知り、未来を予測する事を目標に討論がされていました。

ディスカッションは法林さんからのお題

  • 自地域のコミュニティの特色はなんですか?
  • 他地域のコミュニティを見て何か思うことはありますか?
  • 東京に対してどのような意識を持っていますか?
  • 東京ではユーザ会を作らずに勉強会だけを散発的に実施する傾向が出始めているが、これは東京だけの特殊な現象か、それとも各地に波及するのか?

を元に進められました。(当日のディスカッションで使用したスライドはこちら

自地域のコミュニティの特色で面白かったのは九州の小室さんのお話。勉強会は時間通りに始まらない事が多く、30分遅れは当たり前。博多時間と呼ばれるそうです。

東京のコミュニティの揃い具合に対して北海道はあまり揃っていなく、札幌から離れるとコミュニティの数が少ないそう。北海道の不思議な現象(?)として、開催の一週間前になっても参加枠が埋まらず、2、3日前のギリギリになって埋まる傾向があり、今回のLDDも例外ではなかったようです。

他地域のコミュニティを見て思うことについてtomioさん。釧路はご飯が美味しく、旭川はオープンデータに強い印象とのこと。また、北見は札幌へのアクセスが悪いため「自分たちでやろう!」と独自のコミュニティが形成されてるそう。また、富良野には「tomioさんがいる」のがウリだそうです。

東京に対しての意識について。昔は地元で勉強会をするのにも東京から講師を呼んだりする必要があったけど、地元で話をできるような人が増え地産地消ができるようになってきたと話す小岩さん(北海道)、小室さん(九州)のお二人。法林さんいわく、関西人は東京に対して対抗意識を持っていて、東京でやっていることをうちらでもできないかと頑張っているそう。

ユーザ会を作らずに勉強会だけを散発的に実施する傾向の出てきた東京に対して思うことについて。各言語ごとにコミュニティが無いと何かお願いしたり聞いたりする時や色々なコミュニティを集めてやるようなイベントをやる時の窓口が無いという問題もある一方、地方では◯◯ユーザ会を結成できるほど人が集まらないので単発の勉強会の方がやりやすかったりするとの意見も。

「◯◯ユーザ会とか、そういう団体としてやるというレベルじゃない。会場を借りるなど事務手続きのために団体の名前が必要で、実際はただの群れ。群れからうまくいけばコミュニティになる。」と話したのは北見でずっと活動してきたtomioさん。この「群れ」という表現に会場は大爆笑。

日本全国、大小様々なコミュニティがある中、普段あまり聞くことのない他地域のコミュニティやその意識について話し合う有意義な時間となり、「勉強会に参加・運営してその経験を今後に役立てて欲しい。」という法林さんの言葉で最後のセッションは締めくくられました。

パネリスト・ファシリテーターのみなさんが非常に楽しそうに、パネリストの3人に至ってはTwitterをしながら(!?)ディスカッションしていました。

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最後はLTです。登壇者は佐藤佳祐さん(株式会社オトバンク)と小岩秀和さん(株式会社エストコスモ)のお二人。 lt01

1人目は佐藤さん。 自分の開発の話やPHPユーザ会の話、大好きな釧路の話を少しした後、北海道新幹線の話に。

佐藤さんにとって3年ぶりのLT発表となったこのLT。ちょっとした雑談風の口調で笑いを取りながら、2015年度末、北海道新幹線によって東京と北海道の距離がもっと短く感じられるようになるかもしれない。という話をしてくれました。

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そして2人目は小岩さん。

「5分間自由にしゃべる」というタイトルで、「2015年のITについて」と、このイベントの次の日、1月11日に開催するゲーム音楽イベント「88nite」の宣伝をしてくれました。

「エンジニアならイベントの情報を探す時はDoorkeeperやconnpassを見るが、IT系じゃない人はそういうサービスを知らない事が多く、”知ってるものと知らないものの格差”が大きくなっている。2015年はこの格差を埋め、みんなで幸せになりたい。1人1人ができるところから、人と人とのつながりを通じて僕達の生きているIT社会をどのように幸せに生きていけるのかを考えて帰って欲しい。」というお話でした。

クロージング

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ラストは実行委員長 池田晃和さんの言葉で締めくくられました。

おわりに

「全編パネルセッション」、「あえて技術の話をしない」イベントでしたが、参加したみなさんには楽しんで頂けたようです。もちろん開催報告担当として一番前の良い席(!)で話を聞かせていただいた僕も、とても楽しむ事ができました。

来場者のみなさんから頂いたアンケートの集計結果はこちらにあります。合わせてご覧ください。

以上、LOCAL DEVELOPER DAY ’15 Winterの開催報告でした!次回のLDDはどんなイベントになるのでしょうか。今から楽しみですね!